2011年09月06日

言葉と距離感

今年3月の東北地方太平洋沖地震の2日後の夜、「こんな雑感」をまとめていました。

あまりにも大きな自然災害を前にすると、すぐにはいったい何が起こっているのかわからなくて、ただ、とまどって、言葉を失ってしまう。

時間がたつにつれ、さまざまな情報が入ってきて、だんだん様子がわかってきて、冷静に考える時、自分が思う事、言葉にできる事によって、自分が感じている”距離感”に気づかされるのだと思います。


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3月の東日本の震災時に、TV報道などで見る津波発生時の映像から、「安全なところに避難しているつもりなのに、かえって、移動することによって危険な場所に近づく結果になることがある。」という衝撃的な事実を突き付けられたような気がしていました。

また、海辺の津波によるものだけでなく、山間部でもダムの決壊による水害があったとも、報道されていました。

その当時、そういったことから、「もし、私たちの近くで大きな地震が起こった時、海と川とダムの水害の可能性を考えたら、緊急時にいったいどこに避難すべきなのか、その時の状況によって、冷静に考えないといけないね。」と家族で話していました。


そのため今回の台風12号により、3日の午前3時台に深夜の避難勧告の放送を聞いて情報収集をしていた時、正直言って、かなり緊迫した心境でした。

”どうか、加古川の堤防を超えるほど水位が高くなりませんように。”と祈りつつ、とにかく、その時点での正確な情報をネットやTVで探し続けていました。

「子供達も、起こしておいた方がいいかな。」という私に、主人の判断は「状況がはっきりした時に、もし避難する必要があるならば、今起こして寝不足で体力を消耗させてしまうより、まだ寝かせておいた方がいい。」というものでした。

避難指示地域が判明した後も、ネット上で国土交通省 防災情報提供センター(兵庫県播磨南東部 観測所)で1時間ごとに発表されている雨量とその時の水位を観測し続けて、明け方になって子供達を起こし、娘が避難指示地域に近い友人にメールをした時、「自宅前が冠水している。」との返事が来て、とても心配していました。

台風12号が通り過ぎてしまった後、徐々に、近畿地方の多大な被害状況が明らかになってきました。

近辺の身近な地域にも多くの浸水被害があり、この夏訪れたばかりの和歌山の各地でも、土砂災害や水害による被災状況が報道されています。

あまりにも、自分にとって感覚的な距離感が近すぎると、被災者の方々へのお見舞いの言葉がしっくりこないことに、気がつきました。

「とにかく、少しずつ、がんばりましょう。」

”けっして、他人事ではない。”
そんな気持ちが強ければ強いほど、お見舞いの言葉より先に自然に出てくるのは、自分自身を奮い立たせるような励ましの言葉なのかもしれない。

なんとなく、そんな、気がします。


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この夏訪れたばかりの、和歌山熊野三山各地域や熊野那智大社の被災状況の報道にも、ただただ心を痛めるばかりです。

お世話になったみなさまのご無事と、美しい自然の中にたたずむ世界遺産熊野三山の姿を1日でも早く取り戻すことができますよう、心からお祈りしています。

言葉と距離感






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Posted by Dreamer at 09:42 │日常の雑感