2014年03月24日
東京の思い出についての雑感 2014.3
2月末から3月初めにかけての家族旅行と、中旬にひとりで娘のところを訪ねていった東京の思い出についての雑感。
どちらも同じ3泊4日の日程だったけれど、その内容と自分にとっての充実感の手ごたえは全然違います。
けっして、どちらがいいとか悪いとかいう違いではなくて、目的として向かうところのベクトルが全く違うので比較できない、むしろ比較しても意味がない...という気がします。
最初の家族旅行では、昨年の娘の家探しの時もおつきあいいただいたり、昨春から息子がずっとお世話になっている”義母に楽しんでいただくための観光”という目的がメインだったので、はとバスで東京スカイツリーや浅草などを観光したり、江ノ電定期観光バスで鎌倉を巡り江ノ島まで出かけたりしました。
どちらもバスガイドさんの案内に従っているだけで効率的にいろいろなところが観光出来て、移動も基本はバスなので楽だし、どちらも昼食付きのツアーだったのでどこに行こうか考えなくてもいいし、自分で予約を入れておかなくてもお店につけばすぐに席に案内され、決められたメニューが出てくるのをいただくだけでいい。そんな日帰り観光バスの時間には、すべての気遣いはバスガイドさんが行ってくださるので、完全に受け身で、お客様のひとりとして、ただ楽しむことが出来ました。
2度目にひとりで訪れた時は、突然決まった娘の親知らず抜歯手術がかなりややこしそうだったので、”できれば、術後の週末は付き添って、フォローをしたい。”という母の想いから、仕事のシフト交替をお願いして、職場や同僚にご迷惑をかけることを申し訳なく思いながらも出かけて行きました
。
そのため、この時は大学病院へ付き添っていった日が一番の遠出で、後はスーパーなどに必要な買い物に出たり、娘の依頼で彼女が必要な本を大型書店まで買いに行ったりしたくらいだったのですが...。
抜歯手術の翌日、娘に遅めの昼食を食べさせて、彼女が休んでいる間に買い物に出かけた夕方、ずっと気になっていた小さなお蕎麦屋さんに立ち寄りました。”商い中”となっていたので、のれんをくぐって扉を開けて伺ってみると、女性の方が少し悩んでご主人に確認して、”どうぞ”と迎え入れてくださいました。
お通しをいただきながら、いろいろうかがってみると、基本は夜は2名以上5名まで1組だけの予約コースのみで、こだわりの日本酒とお料理とお蕎麦を楽しんでいただくのだけれど、その日はたまたま女性2人の方の予約で席があったことと、予約時間まで若干余裕があったので、入れていただけたとのことでした。
ほとんど無口で、無表情で調理しながら、時折、ぶっきらぼうに女性の方に指示を出すのみのご主人の様子に、飛び入りでお邪魔したから、ご機嫌を損ねてしまわれたのではないかと気にする私に、「いつも、ああなんです。職人気質ですから。でも、味は自信を持ってますよ。おいしいです。」と笑顔で答えてくださり、まるでご主人の分をフォローするかのようにいろいろ明るく話してくださいました。
天ぷら盛り合わせと十割蕎麦のセット。

本当に小さなカウンターだけのお店なのですが、最初はぶっきらぼうだと思っていたご主人が途中からぼそぼそと会話に加わってくださった様子に、むしろほんわり温かい雰囲気の中で、とてもおいしくお蕎麦をいただくことが出来ました。
話の流れで、関西から娘を訪ねて来ている事情をお話すると”母の想い”に共感してくださり、帰りには「今度は、ぜひご主人や娘さんと一緒に来てくださいね。」「お母さんも、くれぐれもお身体に気をつけて。」と見送ってくださったお気持ちが、とてもうれしかった私です。
そして、娘のおつかいで出たジュンク堂池袋本店の、地下のコミック売り場には...。


「いろんなマンガ家さんの
色紙とか原画が飾ってあって、たぶん、
お母さんの好きな萩尾望都さんだと思う
イラスト原画もあるよ。」
との娘の言葉どおり、エドガーとアランの
肖像画が飾ってありました。
2回目は、最大の目的である”娘の世話をしにいく”という母の自己満足だけでも充分なはずだったのに、思いがけない”湯島聖堂と聖橋でゆっくり過ごす散策の時間”を持てたり、隠れ家のような素敵なお蕎麦屋さんとの出会いがあったり、エドガーの原画が飾られている私にとってある意味聖地のようなスポットに立ち寄れたり。
最終日には、彼女が仕事で遅くなった時よく夕食に立ち寄っているという和食店で一緒にランチを食べたり(娘はまだおうどんと茶碗蒸しという状態でしたが...。
)、買い物をしたり。
そんなふうに過ぎた4日間には、観光で過ごした前回の4日間とはまったくベクトルが違う充足感があったなぁ...と、心から思います。
どちらも同じ3泊4日の日程だったけれど、その内容と自分にとっての充実感の手ごたえは全然違います。
けっして、どちらがいいとか悪いとかいう違いではなくて、目的として向かうところのベクトルが全く違うので比較できない、むしろ比較しても意味がない...という気がします。
最初の家族旅行では、昨年の娘の家探しの時もおつきあいいただいたり、昨春から息子がずっとお世話になっている”義母に楽しんでいただくための観光”という目的がメインだったので、はとバスで東京スカイツリーや浅草などを観光したり、江ノ電定期観光バスで鎌倉を巡り江ノ島まで出かけたりしました。
どちらもバスガイドさんの案内に従っているだけで効率的にいろいろなところが観光出来て、移動も基本はバスなので楽だし、どちらも昼食付きのツアーだったのでどこに行こうか考えなくてもいいし、自分で予約を入れておかなくてもお店につけばすぐに席に案内され、決められたメニューが出てくるのをいただくだけでいい。そんな日帰り観光バスの時間には、すべての気遣いはバスガイドさんが行ってくださるので、完全に受け身で、お客様のひとりとして、ただ楽しむことが出来ました。
2度目にひとりで訪れた時は、突然決まった娘の親知らず抜歯手術がかなりややこしそうだったので、”できれば、術後の週末は付き添って、フォローをしたい。”という母の想いから、仕事のシフト交替をお願いして、職場や同僚にご迷惑をかけることを申し訳なく思いながらも出かけて行きました

そのため、この時は大学病院へ付き添っていった日が一番の遠出で、後はスーパーなどに必要な買い物に出たり、娘の依頼で彼女が必要な本を大型書店まで買いに行ったりしたくらいだったのですが...。
抜歯手術の翌日、娘に遅めの昼食を食べさせて、彼女が休んでいる間に買い物に出かけた夕方、ずっと気になっていた小さなお蕎麦屋さんに立ち寄りました。”商い中”となっていたので、のれんをくぐって扉を開けて伺ってみると、女性の方が少し悩んでご主人に確認して、”どうぞ”と迎え入れてくださいました。
お通しをいただきながら、いろいろうかがってみると、基本は夜は2名以上5名まで1組だけの予約コースのみで、こだわりの日本酒とお料理とお蕎麦を楽しんでいただくのだけれど、その日はたまたま女性2人の方の予約で席があったことと、予約時間まで若干余裕があったので、入れていただけたとのことでした。
ほとんど無口で、無表情で調理しながら、時折、ぶっきらぼうに女性の方に指示を出すのみのご主人の様子に、飛び入りでお邪魔したから、ご機嫌を損ねてしまわれたのではないかと気にする私に、「いつも、ああなんです。職人気質ですから。でも、味は自信を持ってますよ。おいしいです。」と笑顔で答えてくださり、まるでご主人の分をフォローするかのようにいろいろ明るく話してくださいました。
天ぷら盛り合わせと十割蕎麦のセット。


本当に小さなカウンターだけのお店なのですが、最初はぶっきらぼうだと思っていたご主人が途中からぼそぼそと会話に加わってくださった様子に、むしろほんわり温かい雰囲気の中で、とてもおいしくお蕎麦をいただくことが出来ました。
話の流れで、関西から娘を訪ねて来ている事情をお話すると”母の想い”に共感してくださり、帰りには「今度は、ぜひご主人や娘さんと一緒に来てくださいね。」「お母さんも、くれぐれもお身体に気をつけて。」と見送ってくださったお気持ちが、とてもうれしかった私です。

そして、娘のおつかいで出たジュンク堂池袋本店の、地下のコミック売り場には...。


「いろんなマンガ家さんの
色紙とか原画が飾ってあって、たぶん、
お母さんの好きな萩尾望都さんだと思う
イラスト原画もあるよ。」
との娘の言葉どおり、エドガーとアランの
肖像画が飾ってありました。

2回目は、最大の目的である”娘の世話をしにいく”という母の自己満足だけでも充分なはずだったのに、思いがけない”湯島聖堂と聖橋でゆっくり過ごす散策の時間”を持てたり、隠れ家のような素敵なお蕎麦屋さんとの出会いがあったり、エドガーの原画が飾られている私にとってある意味聖地のようなスポットに立ち寄れたり。
最終日には、彼女が仕事で遅くなった時よく夕食に立ち寄っているという和食店で一緒にランチを食べたり(娘はまだおうどんと茶碗蒸しという状態でしたが...。

そんなふうに過ぎた4日間には、観光で過ごした前回の4日間とはまったくベクトルが違う充足感があったなぁ...と、心から思います。